奈良で遊んできました(1)2010年09月20日 11時39分41秒

 やっと暑さが和らいできましたね。生き返りました~。

 先週、奈良に行ってきました。平城遷都1300年記念祭ってやつです。

 まず、出発前日にジュウシマツたちを実家に搬送。乗用車に鳥かごを3つ積み込むという非常に怪しい姿でしたが、職務質問などはされず。ちょっと残念。実家先住民のセキセイインコには、好物のレタスを持ってごあいさつしました。はなは家でお留守番。ペットシッターさんに来ていただくことにしました。シッターさんは、犬の散歩やえさやりだけでなく、新聞の取り込みやカーテンの開け閉めなどもしてくださるので、とても助かります。

 当日。朝の散歩の後、はなに「いい子で留守番しているように」と言い聞かせ、出発。高速道路はトラックが結構いたけれども流れがよく、すいすい進みました。

 奈良県に着いたのは5時半ごろ。中途半端な時間だったので、ホテルでチェックインして荷物を部屋に置き、近所をぶらぶら歩いてみました。商店街って、街の個性が出ますね。奈良漬けのお店はもちろん、扇子とうちわの専門店とか、書道用品店とか、うちの近所では見ないな~という店がたくさんありました。

 その中に、夜10時まで開店しているスーパーを発見。向かい側のレストランで夕食をとった後、飲み物を調達してホテルに戻りました。部屋に空っぽの冷蔵庫があって、好きなものを持ち込めるようになっているんです。こういうホテル、ふえてきましたね。

 今回は3日分をまとめて書いちゃおうと思ったのですが、やっぱり長くなるので分割します。

奈良で遊んできました(2)2010年09月21日 22時58分24秒

平宗の柿の葉ずし
 2日目。朝食はホテルでビュッフェです。洋食と和食がとりどりあるのはよく見る風景ですが、たこ焼きにはびっくり。さすが関西。厨房にはもちろんたこ焼き器があるんですよね。何だか不思議。

 朝食後、奈良駅前から出ている無料シャトルバスで平城宮跡へ。いやもう、びっくりするほど広い~。どれほど広いかっていうと、甲子園球場33個分だそうです。東京ドーム★個分じゃないのね。当たり前か、関西なんだから。

 朱雀門から入って約800m行ったところに大極殿があります。大極殿とは、天皇の即位や元日の儀式、外国使節の歓迎の儀式などが行われた施設です。この入り口で、奈良時代の衣装の貸し出しをやっていました。浅草で外国人向けに売られているぺらぺらのキモノみたいな簡易版でしたが、せっかくなので着ちゃいました。

 上は甚平に似ていますが、そでがものすごく長い。それが特徴なのだそうですけど、仕事するには邪魔じゃないのかな。下はスカートみたいなものですが、やっぱりすごく長い。ただし、これは私がチビだから(^^;) ウエスト部分を思いっ切り巻き上げて調節し、帯でぎゅっと締めてごまかしました。そして最後に比礼という羽衣みたいなものをつければ、有能天平女官(自称)のでき上がり。その姿で大極殿に上がり込み、欄干の玉飾りや高御座や四神と十二支の壁画などを楽しく見物してきました。

 その後、衣装を脱いで(着たまま大極殿会場を出てはいけないのです)、遺構や実際の発掘作業などをぐるっと見て回りました。復元された宮内省の執務室は土間で、そこにじかに机といすが置かれていました。日本もこのころはいすを使っていたんですね。いつの間に畳と座布団になったんだろう。

 昼食は、売店で買ったものを休憩所で食べました。奈良名物の柿の葉ずしは「平宗」という店のもの。超有名店だそうです。サケ、タイ、サバの3種類が2つずつ入っているのを買いました。それから、柿の葉ずしに負けない新たな名物をと意気込む「うめもり」のわさび葉ずしと古代あならずし。わさび葉ずしは、エビが乗ったものを選びました。古代あならずしとは、古代米とアナゴ、奈良漬けでできたおむすび状のおすしです。写真は柿の葉ずし。わさび葉とあならの方は、写真を撮る前に食べ尽くしてしまいました……。

 昼食後は衛士隊交代を見るのを楽しみにしていたのですが、雨が降ってきたため儀式は中止。残念ながら、売店でお土産を買って、次の目的地の薬師寺に向かいました。

 すみません、続きはまた後ほど。

奈良で遊んできました(3)2010年09月22日 23時23分27秒

紫式部
 2日目の続き。

 電車に乗って薬師寺に向かいました。きれいな紫色の実をつけた紫式部でいっぱいの庭を抜け、伽藍を見学。その途中で、降ったりやんだりしていた雨が大爆発。たたきつけるように降ってきました。回廊に逃げ込んで、20分ほど雨宿り。小やみになったところで見学を再開し、東塔を見てきました。

 東塔は薬師寺で唯一現存している奈良時代の建造物で、今、建立時の天井画が見られるんです。中には入れませんが、扉付近に設置された鏡に映る宝相華という想像上の花を見ることができます。すっかり色あせて、言われてみれば花の絵かな?というくらいのものでしたが、貴重なものを拝見できました。

 その後、紫式部の庭を挟んで反対側にある玄奘三蔵院伽藍に行って、平山郁夫画伯の大唐西域壁画を見ました。タリバンに破壊されちゃった例の仏像も描かれていましたよ。天井にはラピスラズリで彩色された夜空。吸い込まれそうでした。

 薬師寺の後は唐招提寺。歩いて行けるんですね。ここの千手観音は本当に1000本の手を持っていたそうですが、現存するのは953本だそうです。それだって大したものだと思いますが。その手の中には剣やら玉やらを握っているものがあり、すべてをじっくり見たら、これだけで半日くらいはかかりそう。

 とてもそんな時間の余裕はないので、さらっと見て退散することにしました。バスに乗るつもりでしたが、30分ほど待たなければならないので、電車に宗旨がえ。ところが、約20分かけて駅に着くと、そこのバス停に間もなくバスが到着することがわかりました。ええ、あの30分待つことを嫌がって避けたバスです。実は、電車よりもバスの方がホテルに近いところまで行くのです。それで、ばかばかしく思わなくもなかったけれども、結局バスに乗り、歩いてきた道を戻りながらホテルに引き返しました。ま、奈良の町を散歩したと思えばいいか。

 次は最終日のことを書きます。あ、2日目の夕食には茶がゆをいただきました。ほうじ茶のいい香りを漂わせたおかゆ、とってもおいしかったです♪

奈良で遊んできました(4)2010年09月23日 22時10分59秒

 3日目。最終日です。2日目にスルーしてしまったたこ焼きを朝食でいただきました。ちょっと冷めていたけれども、まあまあのお味でした。でも、やっぱり朝に食べるものじゃない気がします。

 ホテルをチェックアウトしてまず向かったのは石上神宮。えらく気の強い鶏たちがたむろしていました。捨て鶏が野生化したとのことですが、今やまるで神宮の顔。

 神宮自体は、日本最古級のものだけあって、風情のあるところです。平城遷都1300年祭に合わせて七支刀の公開も行われていたのですが、それも3カ月前まで。9月って、空いているのはいいけど、当然その分催し物もないんですよね。残念。

 次の目的地は……ふふふのふ。牽牛子塚古墳ですよ。つい先日、斉明天皇の陵墓である可能性が高いと評判になったところです。

 飛鳥駅前の観光案内所「飛鳥びとの館」で行き方を教えてもらい、てくてく歩いていったのですが、もんのすごい上り坂でした。そこを何とかクリアしたと思ったら、今度はもんのすごい山の中。のんきに構えていた私、裸足にサンダル履きですよ。こんなスタイルで山に入っていいものかと思いつつ、ちょっとだけだからと進みましたが、行けども行けども行き当たらない。別の道があったのかもと引き返したら、同じ境遇の人たちと出会いました。その人たちと、ああでもない、こうでもないと言いながら進み、途中で分かれてなお進み、とうとう山の反対側に出てしまいました(^_^;)

 どうせ調査中で古墳は見られないと聞いていたので、とにかく近くまで行ったのだ!と自分を納得させ、バスと電車を乗り継いで飛鳥駅に戻りました。直前の土日には現地説明会があったので、そのときなら案内の人がいたんでしょうけどねー。まあ、縁があればまた行けるでしょう。

 ううむ、何だか力が入ってしまった。長くなるので、きょうはこの辺で。

奈良で遊んできました(5)2010年09月25日 19時23分35秒

亀形石像物(狂心渠:たぶれごころのみぞ)
 3日目の続き。前日にパスしてしまったたこ焼きを食べました。ちょっと冷めていたけど、まあまあいいお味でした。でも、やっぱり朝ご飯に食べるものじゃない気がします。

 早々にチェックアウトして向かった先は石上神宮です。えらく気の強そうな鶏の群れが迎えてくれました。捨て鶏が棲みついたものだそうですが、今やすっかり神宮の顔。

 神宮自体は、日本最古級のものにふさわしい雰囲気です。6月までなら国宝の七支刀が公開されていたのですが、とうてい間に合わず。社務所ではそれをかたどったブローチが売られていたけど、ちと大き過ぎます。キーホルダーか携帯ストラップなら買ったんだけどな。

 次の目的地は石舞台古墳ですが、その前に腹ごしらえ。すぐそばの夢市茶屋というところで古代米御膳をいただきました。呉豆腐というのがとってもおいしかった♪ 葛粉で固めるのだそうですが、もっちりした食感がたまらなくいいのです。階下の明日香の夢市という店舗部分では古代米などが買えます。あいにく時間がなかったのでろくに見ていませんが、お米だけでも何種類かあるみたいですよ。

 で、石舞台古墳です。中学校の修学旅行も含め、来るのは3度目。どれだけ好きなんだ、私(-_-;) 石の上に登ることはできませんが、玄室に入ることはできます。石の隙間に小銭がいっぱい挟まっていました。池や噴水にコインというのはよく見るけど、石にというのは何なんでしょう。香典じゃないですよね。お賽銭?

 その次に行ったのが酒船石遺跡。酒船石も見たかったのですが、目当ては亀形石像物です。発掘されたのが2000年と最近のことなので、掲載した写真に見覚えのある方もいらっしゃるでしょう。これは、午前中にニアミスで終わってしまった牽牛子塚古墳の主と推定される斉明天皇がつくらせたものと言われています。彼女は大規模な土木工事が好きで、駆り出される庶民には評判が悪かったようです。日本書紀に「たわむれ心の溝工事。むだな人夫を三万余。垣造りのむだ七万余。宮材は腐り、山頂は潰れた」とか「石の岩岡をつくる。つくった端からこわれるだろう」(引用文は『全現代語訳 日本書紀 下』(宇治谷孟 講談社学術文庫)p.199)という庶民の声を書かれちゃったほど。でも、つくられたときは庶民を圧迫するだけだったけど、後に観光資源になるものってありますよね。ノイシュバンシュタイン城とか。……集客力が違い過ぎるとは思うけど、頑張れ!

 さて、今回の奈良旅行はこれでおしまいです。奈良ってコンパクトだけど見どころが多いから、2日や3日じゃ回り切れないんですよね。また行きたいです。